今すぐ「みはじ」をやめろ

数学

ご無沙汰しております!
中3の合宿などもあり、夏期講習中はブログが手つかずでした。。。

「みはじ」をやめろ

数学で、道のりの計算が苦手という中学生はそれなりにいます。
それでも、ほとんどの生徒が「みはじ」を使って計算すればよい、ということはわかっているようです。

それなのにできない。

なぜなんでしょう。「公式」が分かっているのに解けないって、よく考えてみれば異常事態です。

これはおそらく、道のりや速さの意味がわかっていない、生活の中での実感としてつかめていないのが原因だと思うのです。

掛け算てどんな計算?

先日、別の教室で数学が苦手な生徒に聞いてみました。中1の女の子です。

「掛け算って、どんな時に使うの?」

この質問に対して、答えは帰ってきませんでした。
そこで質問を変えてみました。

「『5×4=20』となる問題を作ってみて」

何度かトライしてくれましたが、「5センチのリボンと4センチのリボンが、、、」とか、
「5枚のクッキーと4個のガムが、、、」など、的外れな回答ばかりが出てきました。

いうまでもありませんが、掛け算というのは、同じものがいくつかあるときに使う計算方法で、
5×4=20の例としては、「5人の班が4つ、全部で何人?」というようなものです。

これは極端な例ですが、数学が苦手な生徒というのはこういうことが頭の中で起こっている場合が多いんです。

つまり、日本語を数式に翻訳できない
式を見て、何を意味するのか、何を問われているのかがわかっていない
「数学」が数学として孤立していて、日常生活とは全く別の世界のものになってしまっているために、身近なものとしてとらえられていないんですね。

速さの計算はどうやる?

「みはじ」(キツナイは「はじき」と習いましたが)は、方程式を使えない小学生に無理やり教えるためのものだと思っています。
確かに、小学生のうちは、物事の本質をどうのこうのいうよりも、まずは掛け算九九のように、わけもわからず叩き込んでおいて、あとからその使い方を理解させるというのも有効です。

ですが、中学生になったらもう「みはじ」はやめてくれ、、、、、と思うのが正直なところです。
実際、キツナイの数学の授業でも「みはじ」は使うな、と伝えています。

速さ×時間=道のり

これで充分じゃないですか。
1時間に4km進む速さで2時間歩けば8km進む。
この感覚が大切
だと思うんです。

時速4kmで38kmの距離を進む場合にかかる時間は
4x=38
x=19/2
=9時間30分
中学生になったらこの方が分かりやすいと思うんですけどね。

特別な公式を使うと、一気に「別世界感」が出ちゃうんですよね。

「いや、どっちも同じじゃね?」と思えるのはしっかり理解できている証拠です。

何事も「自分ごと」にする

時速4kmで30分歩けば2km進む。
500kmの高速道路を時速80kmで行けば6時間15分かかる。
このような、日常生活につなげる感覚がないと、自転車で時速95kmというトンチンカンな答えを出しても不思議に思えないし、家から駅までの距離が25mなんていう夢のような物件を編み出したりすることになります。

文章題が苦手な人からはこのような傾向がみられる場合が多くあります。
日常生活に数学的な考え方を取り入れる習慣、大切ですよ。

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