「盛り土」あなたは正しく読めますか? テレビが正しいと思い込むのは危険!

国語

そろそろ梅雨が明けてもいいんじゃないかと思う、湿気が大敵キツナイです、こんにちは!
今日は今話題の「盛り土」問題について。

まずは、大雨による土砂災害で被害を受けられた方に、心よりお見舞い申し上げます。

さて、今回お伝えしたいのは盛り土が誰のせいだとかいう問題ではなく、読み方のお話です。
テレビのニュースでは「モリド」と呼んでいるところがほとんどですよね。

これ、気になった方も多いのではないでしょうか。
そもそも「モリド」なんて、今までの人生で聞いた記憶がない。
それもそのはず、実はこの読み方はおかしいんです。


邑久教室は国語の授業も得意なんです。
文章を読んで解いて答え合わせをするだけ、ではなかなかできるようにはなりませんよね。
国語のテストならではの読み方、解き方のテクニックが存在します。
キツナイが1からていねいにお教えします。
国語を伸ばしたい人、国語の勉強法がわからない人。
ぜひ邑久教室へお越しください。


日本では、漢字の読み方には通常、音読みと訓読みがありますよね。
音読みというのは中国での読み方に近い読み方で、
訓読みというのはその漢字の持つ意味を、もともとの日本語、和語に翻訳したもの、です。


漢字を使った熟語等の読み方の多くは「音音読み」か「訓訓読み」で合わせることになっています。

例として、学習机(がくしゅうづくえ)と机上(キジョウ)、とか
自動車(ジドウシャ)と乳母車(うばぐるま)とか。

だからこそ、松坂牛は最近になってまつさか「うし」と読むようになったりしたんですね。
(地元ではもともとそう呼んでいたそうですが)


一部、特殊な例外として学校でも習うのが、
音訓読みである「重箱読み」
訓音読みである「湯桶読み」です。

例として、
台所(ダイどころ)、職場(ショクば)、本物(ホンもの)=重箱(ジュウばこ)読み
手本(てホン)、豚肉(ぶたニク)、敷金(しきキン)=湯桶(ゆトウ)読み
等があげられます。

ちなみにこの湯桶(ユトウ)というのは、そば屋さんで蕎麦湯を入れるのに使われているあの入れ物のことです。


以下は、札幌にある「ごまそば遊鶴」さんの公式サイトからの引用です。

 湯桶はもともと上流階級の婦人が化粧用の湯次として用いていたもので、江戸時代には酒器にも使われていたという。また茶懐石では最後に一口残しておいた飯椀のご飯を香の物で湯漬けにするか。このとき焦がし湯を入れて持ち出すのにも湯桶が転用されている。

 いずれにしろ湯桶は本来蕎麦湯専用の容器ではなかったようで、問題はいつ頃から蕎麦屋で転用されるようになったかである。

http://www.yuzuru.hokkaido.jp/etc/knowledge/09/


さて、本題に戻って「盛り土」ですが、お手元のスマホで検索してみてください。
おそらく「モリド」では変換されないと思います。
そう、「もりつち」と訓訓読みするのが本来の正しい読み方なんです。

だけど、マスメディアの皆さんが、存在しない読み方をするなんていう、わけのわからないミスをすることも考えにくいですよね。

じつはこの「モリド」という読み方は、建設業界の方々のいわゆる「業界用語」なんだそうです。

以前、東京都の豊洲市場でも5年ほど前に盛り土が問題になったことがありました。
その時に、小泉元総理も不思議に思っていたそうです。

それはそうですよね。モリドなんていう読み方、一般の辞書には載っていないんですから。

先日TikTokを見ていたら、日本テレビの元アナウンサーという方が
「間違えたら恥ずかしい日本語」みたいな投稿をされているのをたまたま見た時に、
そこで使われている日本語の字幕が間違っているのに気づいて何とも言えない気持ちになりました。

その方はやはり「知らなきゃ恥ずかしい日本語」みたいなタイトルの本を出されている方なのですが、そういう方でもつい間違ってしまうのが日本語の難しいところだよなぁと思いました。

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